錫の性質 昔は井戸の底に錫板を沈め水を浄化したと古書にあるくらい、錫で口当たりがまろやかになるといわれ、保温性・保冷性にも優れていることから酒器に使われます。また、耐食性に優れ、湿気も寄せ付けないことからお茶入れにも使われています。お茶屋さんにある大きな茶箱の内側に錫箔が貼ってあるのはそのためです。
錫製品扱い方のコツ
錫は錆び止めに使われる金属です。 柔らかい布で水洗いし、水滴が残らないように乾拭きしてください。
汚れが目立つようでしたら、練り歯磨き粉や重曹を水で溶いたものを柔らかい布につけ、磨いてください。金ダワシやクレンザーなどは使わないでください。
昔のご隠居さんは、錫の茶筒を慈しむように毎日手でなでていたそうです。すると長い間に何とも言えない光沢が出たといいます。 そこまでしないまでも、使いこんでいただくことが、錫にとっては最も良いことと存じます。
なお、黒や弁柄、千歳グリーンなどの色のついた錫製品は、漆で彩色しています。 直射日光は退色の原因になりますので、他の漆器同様避けてください。 また、冷凍庫での保存も、破損の原因になりますので避けてください。
|