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Q & A


錫光、酒器セット、Q:錫器っていつ頃から使われているの?

A:紀元前1500年頃、エジプトの古代遺跡から出土した"巡礼者の壷"っていうのが、世界で一番古いらしいね。日本では1300年くらい前に中国から渡来したって話だ。
 あの正倉院には、今でもロクロ挽きの水差しが残っているんだが、今もその頃の製法と変わんないね。この徳利だってロクロで手バイトで挽いたんだよ。


Q:徳利といえば、焼物とか陶器とかを思い出すけど?

A:ところがだ、天保14年(1843年)の『貞丈雑記』には、『今徳利と云う物を、古(いにしえ)は錫といひけるなり。むかしはやき物の徳利なし。皆錫にて作りたる故に「すず」と云ひしなり』とあるんだよ。昔は錫のものしかなかったんだね。
それと「すず」っていう呼び方だけど、今でも宮中では、意味が転じて中身のお酒のことを「おすず」というんだ。


Q:この絵柄は、打ち出し?それとも彫るの?

A:絵柄は、蒔絵筆で一筆ずつていねいに書くんだよ。印刷で絵付けすれば、大量に手間なく出来るけど、それだとベタッとした野暮ったいものになる。手書きだと手間が掛かるけど、勢いや繊細さ、味わいが出るんで、うちは手書きにこだわるんだ。


Q:ところで、この色がついているのは何?

A:これは、漆で色をつけているんだ。特に、これは千歳グリーンといって、うちのオリジナルの色だよ。
伝統的な色としては、黒と渋めの赤(弁柄)がある。そもそも錫はお煎茶道とも深いかかわりがあって、20年30年と長く使うと何とも言えない独特の渋みが出て、好んで使われていたんだ。ワビ・サビの世界だね。
ところが20年30年と待てない、早くあの渋みを出したいというんで、最初はうっすらと黒の漆で色をつけたらしい。今じゃあ、装飾的な意味合いが強くなって、うちでは漆を重ね塗りして色つやをよく出しているんだ。

錫光、茶筒、  


Q:錫は体に毒じゃない?

A:今、巷で騒がれている環境ホルモンと勘違いしてないかい。なんでも、トリブチルスズとかトリフェニルスズとかいう化学物質(有機スズ)が良くないという話だが。こういう工芸品は、無機錫で全く別物だから、安心して使えるよ。
それに、『本草綱目』(1578年)という医学(本草学)に関する文献を集大成した中国の古書に、井戸の底に錫板を沈めて水を浄化したとある。だから、錫で飲むと、お酒もお茶もおいしくなるよ。

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